49「ゲルマニュームの夜」

4.20.thu./2007

★ニセ科学

朝日新聞に短期連載されていた、大阪大学菊池教授の紙上特別講義「ニセ科学」。もっとはやく掲載してほしかった。

結婚指輪なんてとっくの昔に失くしてしまって(たぶん我が妻タヌコもだ)、そのこともあって2年前だったか(不況のどん底なのに)、実用を兼ねて我輩、あのゲルマニュームのブレスレットを、肩こりのひどいタヌコにはそのネックレスを買ったというのに、あのゲルマニューム効果というのもニセ科学だと・・・。
ちょうどタヌコとは何度目かの「半年間、口をきかない」冷戦突入時期ゆえ、仏頂面で黙って渡したそれを、「このお金のないときに!」と冷たく言い放たれそれっきりの、良い思い出など全然ないあのゲルマニュームが、ニセ科学品だと・・・。
ま、その記事を担当した記者も「買っていた」というから、少しは慰められたけど・・・。

その記者からの菊池教授への質問コーナーをここに転載(要旨)。
ま、これを読んでる大半の方々は無縁の世界だろうけどね。

Q ニセ科学は日本特有の問題ですか?
A 外国にもあります。ただし、ニセ科学にはお国柄があるのです。
「血液型診断」はおそらく日本と韓国ぐらい。
「マイナスイオン」はアメリカではとっくに廃れてしまい、現時点で広く信じられているのは日本だけ。
「ゲーム脳」は完全に日本独自のものです。
「水からの伝言」は、日本から世界に広まりつつあります。
アメリカで最も深刻なのは、キリスト教右派による「反進化論」です。知的計画理論と呼ばれ、教育現場への浸透が問題になっています。「地球上の生命は高度な知的生命体の計画によって進化させられた」とする主張ですが、表向き宗教色を廃して「科学」に見せかけており、ニセ科学の名にふさわしいと言えます。

参考文献:人はなぜ騙されるのか(朝日文庫)/なぜ人はニセ科学を信じるのか(早川書房)/人はなぜエセ科学に騙されるのか(新潮文庫)/カルト資本主義(文春文庫)/科学06年9月号(岩波書店)。

★「今夜の名言!」

ここだけの話だが、おれは神様がいてくれたらと思うことがあるよ。
怒り狂った本物の神様がな。なぜかわかるか?
もしそうなら、相手に向かってこういえるじゃないか。
「そんなことはするな。やるんじゃない。そんなことをすれば、お前は地獄に堕ちるぞ」ってな。
「過去を失くした女」(トマス・H・クック)より。

ゲルマニューム販売会社の社長サンよ、地獄に堕ちて!
・・・はたまた、サンはいらないか。

「ゲルマニュームの夜」完

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