63「あこがれの大人」

6.13.wed./2007

★6ヶ月

先日来店の墨丸会員734号チャン氏に「ブログの書き込み多くなりましたねぇ」といわれた。「だってヒマやもん」と答えたけれど、ようやくこの店も開店6ヶ月。営業時間中にパソコンに向き合うことが少なくなってきたか。で、みなさん、おひさしぶりです。

新規オープン6ヶ月が勝負というけれど、最近ランチは売り切れの日々。
おかげで夕方の「家庭料理」コーナーも一品どんどん売り切れて、我輩の夕食分なくなってスーパーの弁当とかに。

★大人

さて、常日ごろ感じていたことのひとつを的確に表現した文章に出会った。
週刊新潮6/14号のコラム「大人の羅針盤」でのスポーツライター金子達仁サンいわく・・・

「高校に入学した時は、3年生の先輩がとてつもなく大人に感じられた。社会人になった時は、四十代の上司が別世界の存在にしか思えなかった。(中略)ところが、自分が高校3年生になってみて感じたのは、思い描いていた「高校3年生像」との大きなギャップだった。先輩たちはあんなに落ち着いて見えたのに、どうして俺はこんなにも重みがないのか・・・。そして、あの時に覚えたのと同じギャップを、41歳になったわたしは感じている。(中略)二十年前、上司や先輩がやっていたことを一通りはできるようになったというのに、自分が大人になったという自覚や手ごたえがどうにも出てこない。腹はたるみ、シミは増え、関節は固くなった。肉体は間違いなくオヤジ化の道をたどりつつあるのだが・・・。オヤジになるは易く、大人になるは難し」

が、我輩は30代にはいると、年配者に対する見方に変化が生じてきた。
昨今の例で言うと、一流企業不祥事でのお偉いさん方の脳天ばかりの映像みせられ、「なんや、頭の薄さはおんなじやんか」
我輩、金も地位もないけれど、「清廉潔白純粋無垢!」な我輩の方がまだマトモじゃわいと・・・「」の文言は、わが高校時代の親友Fクンの口癖。我輩のことご存知の方はナニいうとんねん!やろね。
全般的にいうと、数々の年配者との主として飲酒の席での(この数はハンパじゃなかった)、年配者言動知るにおよんでというべきか。
が、これおしなべて周囲は単なるオヤジばかりだったせいであろうか?

が、舟木一夫のかつての日活青春映画「高校3年生」や、30代で亡くなった市川雷蔵の映画などみると、「やっぱり大人やなぁ・・・」といまだ感じ入ってしまう、いびつなピーターパン・シンドロームの我輩であった。

6.15.fri.

★予告

え〜、金曜というのにヒマだ。
ま、毎月この頃から19日にかけてはヒマな時期ではある。
そ、19日は昔から「魔の19日」と呼ばれ、なぜか墨丸では金曜であろうと土曜であろうと極端にヒマというのが定説。たまにその日がヒマでないと18日か20日がヒマなのだ。
たまにその厄日を忘れ「週末やのにヒマやなぁ・・・」と我輩つぶやくとバイト君「マスター、今日は19日ですよぉ」「・・・・」であった。

知人女性グループが沖縄に初旅行すると聞いた。
レンタカー付二泊三日フリープランなそうな。
フリープランといいつついまだなんの企画も立てていず、いきあたりばったりとかで我輩「運転手兼ガイド役でつれてってや〜」と冗談交じりでいうと、なんと招待してくれるという。
すごいなぁ。昨年友人との二回の沖縄旅行も運転手兼ガイド役で無料旅行だった。その長編記録は我輩のミスでこのページから消え去ってしまったけれど、今回は乞うご期待、か。

で、7月15日(日)〜17日(火)臨時休業(火曜早めに帰って来れたらオープン)。
その代わりといってはなんだけど、6月18日以降無休(のつもり・・・)。
注:「宝くじ」当たっての旅じゃありません。念のため。前述のチャン氏は前のブログ読んで、宝くじが当たってると思ったそうな。あはは・・・と、むなしい笑い。

6.16.sat.

★オバチャンの店

島田紳助著「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」(幻冬舎新書)読了。

この手のビジネス書なんて買っても読んだためしなく(そういえば高校時代から教科書も開かんかった)、題名にひかれエッセイでも読む気分でつい読んでしまった。しんどかった・・・。
ま、結論からいうと、金を持ってる人間とそうでない我らという根本的に立場が違うところからのお話ゆえあまり参考にならず(この手の本、参考になったらスゴイ。読んだ人間皆が成功するようなもんや)。でも同感した箇所いくつか、以下・・・

会員制フォークソング・バーを最近開店したという。
我輩も、バーではジャズなど洋楽だという常識(?)に反発し、60〜70年代の和製フォークを店内で流したく、常々新聞広告の「黄金のフォークベスト296曲!」なんてのを切り抜きつづけ、しかしその購入金額捻出できぬままの中古特価洋楽CDの世界へ。
その中に手持ちの中島みゆきやさだまさしのCDもぐりこませては途中でそれらが流れ始めると、ホッ・・・。

そうした層の需要に目を付けたのが紳助サン。
団塊の世代に限らず、若者にもそのある種新鮮さで受けているという。
う〜ん、我輩もいつかは当時のフォークで(藤圭子、西田佐知子、倍賞千恵子、菅原洋一、フランク永井なんかももぐりこませて)リラックスしたい・・・。

上記で「常識云々」と少し記したが、以下の紳助サンの考えにもうなずける。
いわく(要旨)「経験者は何かというとすぐに常識を持ち出す。今の世の中、商売で成功している人なんてほんの一握りなのだ。そんな同業者やプロの集まった失敗だらけの業界の常識がなんぼのもんや。そんな常識はみんな失敗するための常識だ。常識にとらわれていたら、常識通りのことしかできない。みんなと同じような結果しか出せないに決まってるではないか」と、素人だからこそ上手くいってるのだと思う、という考え。
これはある意味素人でスタートし、15年店を続けてこられた我輩もうなづけた。借金まみれだが・・・。

もうひとつは、いわく(要旨)「ウチは天然物の魚しか置いてません」と、偉そうに言う料理屋がある。何を勘違いしてるんだと思う。お客さんに美味しい天然の鯛を食べてもらいたいから、船酔いしながら漁船に乗って釣って来ましたというなら、ちょっとくらい威張っても許そう。ただ市場で買ってきただけのことなのに、なぜ威張るのかよくわからない。しかも、その天然物の高い魚を買うのは客なのだ。お客が高い金を払わなければ成り立たない商売をしているくせに、そのお客に威張ってどうするのだろう。高かったら、美味しいのは当たり前や。これで不味かったら、どうするつもりや。あんたが偉いんやなくて、マグロが偉いんやと言ってやりたくなる。安い魚で美味しい料理を作る料理人の方が、よっぽど偉いと思う」
もっともなご意見。

さて最後に本書題名の意味。
お腹を空かせた学生の顔を見て、ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する。「オバチャンの店に行くのは腹いっぱい食えるからや」と学生は言うかもしれないが、ほんとはみんな、オバチャンの気持ちが嬉しいのだ、ということ。う〜ん、お昼のランチ売れ切れの秘訣もここにあるのか!?
さすが紳助サンはかしこい!
でも本書欲しい方、さしあげまする。

6.17.sun.

メル・ギブソン監督「アポカリプト」をみる。
「いままでに見たことのない世界」で、評価4/5。

そのあと、久方ぶりに焼鳥屋へ。
今回は市内の始めての店。
う〜む。生ビールサーバーを洗浄していないのがまる分かり・・・。
はじめ悪ければ、で宮崎地鶏というその焼鳥自体も不味く感じられ、久しぶりに映画らしい映画をみた高揚感が急速に萎えてしまった。愛想ももうひとつやし、もったいないなぁ、キレイな店なのに・・・。

★「今夜の迷言!」

前回に続き、亀田製菓柿の種「けなげ組」より

会員番号9「テレビのテストパターン」いわく
「同じ映像なのに・・・ニュースやドラマが終わった後も夜中までがんばり、朝早くテレビのスイッチ入れてボクが映るとすぐに消されてしまうんだ。きれいな色してんだけどナ〜・・・」

会員番号10「”ん”の字」いわく
「辞書の最後にちょびっとでているだけ。ボクがいなけりゃ日本語なんてめちゃくちゃなのに・・・それに決して頭文字になれない運命・・・しりとりではきらわれもんだし・・・」

「あこがれの大人」 完

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