64「アポカリプト」

6.27.wed/2007

★アポカリプト

前回「アポカリプト」一作しか映画評価していずだったけれど、あいかわらずDVD等では映画をみていた。

「アポカリプト」は評価4/5だが、1ポイントダウン分について補足すると、主人公が逃亡中に腐乱死体の山にでくわすシーン。それまで画面に釘付けになっていたのにこのシーンでカンボジア内乱を描いた「キリング・フィールド」や、ボスニアを舞台にした「エネミーライン」同様シーンと重なってしまっての興ざめと、見終わっての古くは60年代の「裸のジャングル」(コーネル・ワイルド監督主演。アフリカ原住民にとらわれた白人が裸のまま人間狩りの標的にされ追われる異色作)同様のパターンやなぁ、で・・・。
でも、総体的に見たことのない世界を描いた作品には間違いなし。
これ系統では、クラウス・キンスキー主演のスペイン側からこの時代を描いた「アギーレ/神の怒り」もオススメの一本。
ま、最近の傾向として、泣ける映画でないとなかなか5/5にはならんなぁ、とも気づいた。

で、映画をみていた話にもどると今回たいした作品もなく、こうなると映画も少々食傷気味でこのページ更新する気力さえなくし・・・で今回、単なる記録的意味でザッと題名列挙・・・しょうと思ったけれど、20数本もあったので取りやめ。

★邦画

でもその中で印象に残ったのが、珍しく日本映画。
いまごろ?と思われるだろうけど井筒監督の「パッチギ!」(秀作「ガキ帝国」の監督が井筒サンと今回初めて知った)を評価4/5として、サブ監督「疾走」(重松清サンの原作読みたし)、西川美和監督「ゆれる」(香川照之の演技秀逸)、「ピンポン」(ペコ役の窪塚洋介見直した)などは、先日の当ホームページ伝言板のろんたいクン風に評価すると、3.5/5か。
新作「日本沈没」は日本が完没しなかったとは!どまりで、「県庁の星」は伊丹十三監督「スーパーの女」の域脱していずの感。

★洋画

洋画駄作はリメイク作の「悪魔の棲む家」。キャストが魅力皆無。
カンヌ映画祭監督賞「隠された記憶」、ジョージ・クルーニー主演「シリアナ」は共に完全消化不良。なにがよいのかわからず・・・。
「Mr.&Mrsスミス」はラストのスーパーマン振りで評価ダウン。
久方ぶりの文芸大作ドラマゆえか新鮮だったのは、当時評価が低かったという、名匠デビッド・リーン監督「インドへの道」(84年)。アカデミー賞作品賞のヒューマン・ドラマ「クラッシュ」はその群像劇が見もので、それぞれ3.5/5。

題名失念したけれど、実話をもとにしたというバル・キルマー主演(だったか?)の作品は、盲目の青年が手術により目が見えるようになる物語で、目が見えてのわれらの想像を超えた混乱世界(ガラスを突き破ってしまうとか相手の表情を読み取れないなど)が描かれていて印象に残った。

6.30.sat.

★サンセット大通り

昨夜、「サンセット大通り」をみる。
名匠ビリー・ワイルダーの1950年度作品。我輩生誕年の映画だ。

その前に「ステイ」(マーク・フォスター監督。05年)を、秀作「バタフライ・エフェクト」的作品かと期待のうちにみた(だって解説に「明らかな違和感や伏線がラストで一気に収束する巧みな構成、云々」と)が、まったく収束しないラストシーン。前述の解説者にもう一度解説してほしい。製作者も理解してないんじゃ?との大疑問という近頃めずらしいほどイライラさせられた、精神科医と自殺願望のある青年との奇妙な物語。ただし終盤に至る展開にはのめりこめた・・・ン?これが「収束」?

そして、大戦下、食料増産のため片田舎の農園に派遣された英国婦人部隊の三人の女性の物語「スカートの翼ひろげて」(デビッド・リーランド監督。98年)も、さかりのついた男と女を見せつけられてるようでヘキヘキしていたところに、前述のモノクロ映画ビデオ「サンセット大通り」をみたのだ。

傑作と聴いていたので、我が青春時代にすでに見たであろうと思いつつスイッチオン。
未見だった!
売れない脚本家が迷い込んだ荒れ果てた大邸宅で出会ったのはサイレント映画時代の大女優。いまだ銀幕復帰を夢見るそのグロリア・スワンソンと青年ウイリアム・ホールデン(若きころの横顔はトム・ハンクスに似てる)との悲劇(ほどでもないのもイイ)なんだけど、ラストのスワンソンの鬼気迫る演技といったら!「アポカリプト」とともにオススメの、4/5。

★「今夜の名言!」

「いい本がたくさんあるわ。貸してくれるかしら」
「ふん、前にホップワースという友人がいた。本を返さないことでデニスが怒っていたので、本一冊のために友達をなくす気かとボクが聞くとデニスはいったねぇ。なくしたがってるのは奴の方だ」
 シドニー・ポラック監督「愛と哀しみの果て」より。

「アポカリプト」完

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