75「ルート225と高野山」

9.30.sun./2007

★ルート225

今週は個人的に忙しい日々。
その理由はもうすぐお知らせできる?(できればいいのだけれど・・・)。
おかげで食欲、色欲?、睡眠欲まったくなく、昨日ひさしぶりに体重はかると、身長170センチに対し体重52キロに減っていて・・・(スティーブン・キングの「痩せゆく男」は傑作本)。
で、本にも映画にもいつものように接することできずの日々・・・。

でも先日、wowowで藤野千夜原作の映画「ルート225」が放映されていて、仕事中にチラチラとみてはいた(あいにくレコーダーが故障中で録画できず)

あの秀作本が06年に映画化されてたなんて知らなかった。
以前原作を紹介したかもだけれど、お話はというと、中学生の姉と小学生の弟がある日、いつもの横丁曲がるとあるはずのない海に出くわしたり、仲たがいしたはずの友達がそんなことがなかったかのように振舞ったり、事故で死んだはずの女の子が生きていたりして途方に暮れて家に電話すると、おかあさんが電話口に出るのに家にはおかあさんがいないなどという、微妙に違う別世界に迷い込んでしまっての、元の世界に戻ろうと悪戦苦闘するファンタジー。
残念ながら接客で映画のラスト見逃してしまい、それは原作と同じか否か?う〜ん、再放送待ちであります。原作、映画ともにオススメの一作。

で、昨夜来店の常連Kさんにこの映画の話をすると(だれかに喋りたくって)
「マスター、映画好きなん?」
「なんで店に映画のポスター貼ってると思ってましたん?」
「ただの飾りかと・・・」

そういえば、常連のYさんとはいつも城跡や廃墟の話、同じく某大学のMセンセとは異性と料理の話、そしてこのKさんとはケンカに関する話ばかりで・・・。
でこの夜、お互い映画好きと初めて分かり盛り上がり、Kさん「あのぅ、え〜っと、ジャック・ニコルソンの、あの、え〜っと雪に閉ざされての映画、なんやったっけ?」
我輩「え〜っと、え〜っと、なんやったっけ?」
そのとき来店のMセンセに「なんでしたっけ?」
Mセンセ「う〜ん、なんやったっけ?」
我輩「も〜、老人ホームみたいや!よし、思い出したら酒一杯おごりあおうよ!」
三人「う〜ん!う〜ん!」
十数分もの後、Kさん「シャイニングや〜!」

この夜、話題になった映画「インファナル・アフェアー」のビデオをMセンセに貸し出し、Kさんには「オールドボーイ」「バタフライ・エフェクト」そして・・・え〜っと、あと一本なんやったっけ?

★高野山

ひさしぶりに従兄弟のKクンに会った。
昨日、和歌山高野山での法事の席で(我輩は先の事情で出席できず)Kクン、今はもう廃村の、互いの母親の生家を我ら従兄弟で維持管理していこう(と、もう何年も前から酔うたびに言い続けてきて)の話をその席でとうとう親族に持ち出したとのこと。で、従兄弟会を結成し、墨丸を事務局にして具体化していこう!ということになったと。

その家、霊山高野山のさらに山奥、急斜面の山肌に組み込まれた石垣に根をからませそびえ立つ杉の大木が樹齢六百年といい、その頃に釘を一本も使わず建てられた屋敷だといわれている。県の文化財指定の話がでた際に台風で茅葺ぶき屋根が吹き飛ばされ中止になったとも。
四十年近く前にNHKが「山奥の屋敷にしてはこの石垣の大石はどこから運んできたものか」などと取材されたことも。
その、人が住むには適さぬ急斜面の集落の誕生のきっかけはいまも謎のまま。
一説には平家の落武者部落(その証拠らしきものアリ)、または隠れキリシタンの里(これまたその証拠らしきものアリ)、高野の坊主共の隠し妻の里、山賊の村などなど・・・。
夏の夜でも火鉢に炭をいれ、布団は冬布団のまま・・・。
前述のYさんは我輩の話で興味をもち、バイクでもう二度もその廃村を訪れている。

そんな山奥の古民家に一泊千円ほどで、酒持ち寄り宴会などを開催してゆこうという考え。この村にまつわる数々のお話は、また別の機会に・・・。

「ルート225と高野山」完

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