78「千代田店、お客の横顔」

10.14.sun./2007

★三日市の飲食店近咲暮(コンサクラ)のマスター

わざわざタクシーで来店されるたびに墨丸で酒を酌み交わす仲なのだが、今夜は閉店後、居酒屋「あ.」にて互いの“苦境”についての話し合い。
結論、この地域では打開策ナシ。
三日市ゴーストタウンvs千代田呪われた町ですもの。

この夜、河内長野の居酒屋「秀平セカンド」のマスターらと「あ.」ではじめてお会いする。「あ.」のタクちゃん共々みなさん30歳代のオーナーだ。
若いのにみなさん頑張っておられる。少なくとも「いまどきの若いモン」の苦言は別世界のこと。我輩?「いまどきの不良中年」か・・・。

10.16.tue.

★近大生Yくん

狭山でのバイト帰りの近大生Yくん。
墨丸休みだった先週月曜も来られたそうで(夕刻来店のケーキ屋Aちゃんも「月曜来たのに!」。ここ千代田の月曜は住吉に比べ捨てたものじゃないかも)、今夜は彼ひとりでの来店ゆえ、はじめてカウンターに座られてはじめて会話をかわす。 
ちょっとした男前。身長190ほどもある21歳。それで性格、良。
でも現在まで彼女いずの珍しき存在。その不遇嘆く彼に「ほっとっても群がってきますって」。将来がうらやましい好青年である。
彼、民俗学専攻とかで、以前このページに記した高野山のわが祖先の村を紹介。調べてみますとのこと。

ふたりして大いに飲んで(これがアカン。毎晩飲みすぎや)、さ、そろそろ店じまいを、と電話が・・・。

★一徹

で、河内長野の焼鳥屋「一徹」の面々来店。
「墨丸さん、このあいだ千代田の居酒屋で飲んでたでしょ!」
ン?・・・う〜ん、この地域は異常に「世間が狭い」
一昨日「あ.」で飲んでいたことが「秀平セカンド」通じもう広まってい、「マスター、今夜は「あ.」に一緒に行きましょうよ!」
「あかん、今夜はもう飲みすぎや。もう3時半やで。閉まってるし」と丁寧にお断りしての閉店後、電話が・・・。

「いま「あ.」開けさせました。来てくださいよ〜」
再度丁寧にお断りす。「誘った誠意、覚えといてくださいよ〜」
店片付けててその彼らがライター忘れてることに気づき、うん、まぁ、こちらも「誠意を」と、帰宅ルートはずれてお届けに。それでもめずらしく飲まず。うん、これは我輩人生でもホント珍しらしかった。それほど酔い疲れていたのだが、ナニか悪いことが・・・?

10.17.wed.

★秋田人

35歳、秋田の男性。
秋田出身で、10数年沖縄名護市の飲食店で働き、出産のため奥さんの千代田の実家に最近越してきたとのこと。
うれしいではないか、こんな片田舎で我輩好きな沖縄在住者とお会いできるなんて。
「若い人たちの溜まり場だったらどうしようと迷ったんですけど」と、かすかな秋田弁まじり(秋田人にははじめて出会った)。
ま、昔っから若者の溜まり場じゃないですな、墨丸は。また千代田は老いも若きも「いい人」が多いと、我が妻タヌコも。珍しくもこれには同感だ。
ゆえに深夜、そんな方たちがカウンターに座られるとついつい話し込んでバーボンロックを重ねてしまう・・・。

で、疑問に思っていたことを聞いてみる。
「沖縄では台風襲来日、店休みますの?」
「休みます。それと台風近づくとビデオレンタルショップの在庫がなくなるほど借り出されます。家から一歩も出られませんから。そんな状況知らないうちは食料なくなって暴風雨下、壁づたいに命がけでスーパーにたどりついたら台風で休業だったりして・・・」(これ、すべてかすかな秋田弁)。
近々店を持とうと考えてるとのこと。わ〜、また仲間が増える、の夜だった。

10.18.thu.

★「今夜の映画!」

周防正行監督・脚本の痴漢冤罪映画「それでもボクはやってない」をみる。
「キャストがすばらしい!」かつ良質の作品。
とくに裁判公判前半と後半担当するそれぞれの裁判官(正名僕蔵と小日向文世)のキャラクターの相違がとっても印象的。我輩だったら裁判官に殴りかかるかもと思うほど、ある意味理不尽な裁判制度の現状もよっく分かって、評価4/5。

「痴漢」って日本独特の犯罪らしい。世界でもまれなあの満員電車も一因という。語源は中国で「バカな男」の意味とか。
でも、地下鉄乗り遅れまいと階段駆け下りた位置に、なぜあの女性専用車両なんてものが止まってンだろ?!

10.19.fri.

「恋人はゴースト」と「世界最速のインディアン」をみる。
千代田はなぜか木曜ヒマだと最近になって気づいた。
で、昨夜は1時過ぎに店を閉め、「あ.」に行くもここも、閉店。
「あ.」ができてから住吉まで飲みに行く機会も気力もなく、どこかで肴買ってビデオでもみながら酒飲もうと、24時間営業のスーパーオークワへ。
と、すぐつまめる刺身が売り切れ。
いまから魚など焼くのもめんどくさいしと鳥南蛮弁当買って・・・でもレンジでチンのコンビニ同様の弁当のフタあけた瞬間のあの異様な匂い。この匂いで食欲減退するのでコンビニ弁当は買わないが、スーパー弁当もチンの匂いは一緒と気づいた夜だった・・・。

映画「恋人はゴースト」は、男が借りたアパートメントにもとの住人の女の幽霊が出現。記憶を失ってるその女のために彼女の過去をさぐってゆくと・・・というラブコメディ。
前にも記したけれど、アメリカのラブコメはみる気がしないのにみると面白い。ジョークも秀逸。この作品もそう。でも主演のリース・ウイザースプーンとマーク・ラファロはともに魅力感じず。でも、ラストでホロリ。3/5。

で、最悪な女優を思い出した。
「トゥルーナイト」やリメイク版「サブリナ」に出ていたジュリア・オーモンド。
常に美人役で出ているが、どうしてもエラの張った猿顔にしかみえず。ラブシーンでは思わず顔を背けてしまうほど。なぜこの人が主演をはれるのか今でも不思議。・・・中学時代に都はるみの顔が好きという親友がいてそれも不思議だった・・・。

続いてみた映画「世界最速のインディアン」ふくめての今回の作品は墨丸会員734号チャン氏貸与の作品。でもこの作品などレンタルショップでまず借りないであろう映画。地味なパッケージに気を引かぬ題名。興味をひくとしたらアンソニー・ホプキンス(「羊たちの沈黙」の)が主演ってことか。
が、チャン氏はいつも「良質」の作品を貸してくれる。
この作品はまさにその「良質」。
ニュージーランドの一老人が1920年型インディアン・スカウトという最高時速80キロ設定の愛車を改造。地球の反対側のアメリカ・ボンヌヴィル塩平原での時速300キロを超える世界最速記録に挑戦する実話の映画化。

ホプキンスは「羊たちの沈黙」のレクター博士と正反対の人のいい爺さんぶりで(さすが名優)、60年代の古き良きアメリカの人々に助けられながらのストーリー展開は心和ませてくれた。4/5。

「千代田店、お客の横顔」完

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