82「最後の日曜日」

11.24.sat./2007

★「今夜の本!」

ひさしぶりに奥田英朗を読む。
彼のハード小説「最悪」や大藪春彦賞受賞の「邪魔」でファンになったのに、後につづく作品はソフト路線。で、遠ざかっていた作家。
アメリカ映画のコメディはみる気がしないのにみると結構面白いのと同様、選んでしまう小説もその傾向がある。自分よりツライ、せつない世界に接して「おお、俺より不幸な奴、いる・・・」と思いたいのか、コメディ作は「軽い」と思い込んでいるのか・・・。

今回の作品は、そのソフト路線の短編集「マドンナ」(講談社文庫)。
手元にたまたまあったので読んでみた。
表題作は、いい年したサラリーマンが人事異動で部下となった二十代の女子社員に恋してしまう物語。で、これには「アホか」。が、同じく四十代のサラリーマンを主人公にした残る4篇は、哀愁あふるる作品で、評価は4/5。
さすが奥田サン、の感。でも浅田次郎のコメディ作「椿山課長の七日間」も傑作だったというのに、同様のコメディ的作品をまた読もうと脱皮できないんだなぁ、これが。

11.25.sun.

はじめての作家「祐未みらの」の小説を読む。
この作家、名も知らなかった。
93年に「緋の風」でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞した方。今回は99年刊単行本の角川文庫版「マンダレーの夕日」を。

800ページ近い大作。
ビルマの伝説のルビーが大戦中のインパール作戦従軍兵士の手を経て日本に持ち帰られて以降、現代に至るまでのそのルビーを巡る大河小説。
一見無関係に思えるいくつかの出来事を終章で見事に収束させる構成には感心。が、描かれる復讐劇の要因の弱さが気になって、3/5。

★ラスト・ラン

最後の「日曜日」です・・・。
「千代田呪われた町」店は、12月1日(土)までの営業となりました。
2日以降は、この千代田店を基点に、新店オープン準備で動き回ります(オープン日は中旬としかまだいえませんが)。
で、11月25日の今夜は、千代田店での最後の「日曜日」となりました。

今日までの4日間かけ、旧長居店分ふくめ500名近いお客さま宛てオープンDMリスト作成。
その後のメイン作業は、「新店用メニュー」作り。
週変わりカクテルサービスとして、たとえばウイスキーカクテル101種類オールタイム500円、残る1600種のカクテルは680円でとか、パスタランチを12月中だけでも実施してみてランチの需要が有るか無しかを見定めようかとか・・・。

夜半、三日市の「近咲暮」のマスターから、「飲みませんか?」と電話あり。
昨夜は会員20号せいざぶろうと「あ.」にて痛飲したので飲む気分ではなかったけれど、移転の報告せねばと待ち合わせの「あ.」へ。
報告聞いてマスター、「え〜!」と絶句。
「コンちゃんも我孫子に店出せよ〜」、でした。

「最後の日曜日」完

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