373「今夜の本!」8/2017のベストは?

9.6.wed./2017 「テラちゃん文庫寸評特集!」

★呑み会

7月9日の日曜、午後6時半から10時頃まで、墨丸の面々総勢10名での呑み会あり。
場所は、JR我孫子町駅近く「ちりとりダイニング」坂本さんのお店、二階座敷にて。
我輩の「快気祝いですから」と坂本さん、一人三千円で飲み放題・・・ありがとうございました。

久しぶりにお会いしたのは、通称「大桃」女史と、長らく東京転勤中だった木村氏。
大桃さん、我輩入院前に借りていたとの、原田マハ「カフーを待ちわびて」、五十嵐貴久「リカ」の本を律儀にもお持ちいただき、我輩とうに忘れていたので恐縮。また読んでみたいジャンルのがあれば言ってみてね。

※人の名が覚えられぬ。学生時代の50人クラスで覚えているのは数人。ホームルームでクラスメイト名指しすることもできず。社会人になってもそうだった。で、こっそり「あだ名」つけて覚えていたものだ。墨丸ではもうあからさまに「あだ名」で呼んでいる・・・私的な飲み友となってからさえそうで、「マスター、私の正式な名前覚えてる?」と問われてうろたえたものだ・・・。

★新・墨丸

墨丸会員18号田中ホモ丸、席上「新・墨丸」を年内に住吉区内で復活させるとの爆弾発言。
我輩は顧問で在籍というが、経営方針面などで意見対立中。我輩に資金多少なりともあれば主導できるのにと、手元の貯まりに貯めた宝くじチェック。すると、支払期限過ぎた無効分が続々と・・・一昨年の入院時も無効分発見だった。なのに昨年の入院のおかげでまたもや発生していた。ハズレ云々よりもコレこそ「ドブに捨てる」というヤツだ。

★テラちゃん

墨丸会員541号テラ吉くんとは忘年会以来。
通称テラちゃんは常々「大阪のお父さん」と我輩を呼んでくれている、彼が大学生時代からの墨丸会員。が、彼ももう40近い歳。独身。
でお盆、テラちゃん帰省してねば我が家で食事でもと考えたのに、当方に親族客多しで結局連絡出来ずじまい。近々再見しょうな?

その彼が「コレを」と手渡し贈ってくれたのが、新刊文庫本6冊!嬉しいではありませんか。
こうして我輩の誕生日などにも「コレを」と、我輩好みの女優のアダルトDVDをこっそり、ではなく、墨丸の女性客居並ぶ席で堂々とあけっぴろげにプレゼント・・・いいヤツだ。

で、単発ではなくその本まとめて紹介と、8月に入るまで読まずに大切に大切に手元に置き続けていましたよ、テラちゃん。
なお、我輩が書店で手にとり「買う!」作品には○を、「買わない」には×印をつけてみた。
そうしてみると、アダルト女優の好みとともに本の好みも彼は熟知してくれているのが良〜くわかる・・・。
で、8月は「テラちゃん文庫寸評特集!」

ガジュ丸評価基準。
5〜4が「秀作以上ライン」、3.5は「佳作」、3は「普通」、2〜1は「駄作ライン」。NF=ノンフィクション。※=再読作品。

★「今夜の本!」(テラちゃん文庫寸評特集!01〜06)

01.○「ラスト・ワン」アレクサンドラ・オリヴァ/ハヤカワ文庫
「生き残れ!最新サバイバル・スリラー上陸!」の帯コピーと海外メディアの賛辞目にすれば、コレは我輩即買いの本・・・が、そのサバイバル、伏線あるものの「リアリティショー番組」。かつマイナスの意味での長編すぎて、3.0

02.×「僕と先生」坂本司/双葉文庫
他作品でマイナス評価の覚えある作家。本作も「名探偵コナン」風タッチがどうも・・・2.0

03.○「豆の上で眠る」湊かなえ/新潮文庫
湊作品はどれも「読める!」のに、なぜか心に残らずの作家。
が、「幼いころに誘拐され二年後に帰還した姉」のこの特異な物語は、「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」の言葉がグサリと心に残り・・・3.5

04.○「君の膵臓をたべたい」住野よる/双葉文庫
そうか、これが住野作品か。もう異次元とも思える昨今の高校生ドラマなのと、本好きというのにこの主人公、人の心の機微に疎すぎての終始違和感。3.0

05.○「嘘つきポールの夏休み」サビーン・ダラント/ハーパーBOOKS文庫
前回紹介の「冥闇」ヒロイン同様、主人公が鼻持ちならぬタイプゆえ感情移入できぬのが難点ながら、終章「ああ、でこうなるのか」と納得の展開。で今回、ハーパーBOOKSなんて初めて知り、翻訳専門文庫のようで我輩にとっては嬉しい出現。3.5

06.○「教団X」中村文則/集英社文庫
代表作「掏摸」読んでから敬遠の作家。が、新興宗教テーマの本書はベストセラーらしく、ならば凡人の我輩でも?と大いに期待し最後に残しておいた本書が、最大の苦痛をもたらしてしまった。ベストセラー?頭の良い方、そんなにいらっしゃるんだ?の感。1.0

07.「澪つくし」明野照葉/文春文庫/3.5 [オール読物推理小説新人賞]
08.「汝ふたたび故郷へ帰れず」飯嶋和一/小学館文庫/3.5 [文藝賞]

★ガジュ丸選出本 07〜08)

明野照葉「女神」に続いて読んだ「赤道」が今ひとつで、オール読物推理小説新人賞という「雨女」で打ち止めにしようかと思ったのはもう何年も前。
偶然古本屋で手にした短編集「澪つくし」8篇のなかに、その「雨女」が。
で、バカなことをしたもので、短編集ゆえ冒頭の作品読み終えると、次に最後のを読んだりするのだが、コレがいけなかった。最後の「澪つくし」はその前に掲載の「雨女」の続編だった・・・。で、その「良さ」半減か。
が、冒頭のトボけた題の「かっぱタクシー」一編で、作者の力量見直した感。

その話は、胃潰瘍で退院したばかりの68歳の個人タクシー運転手。体調思わしくないのに、なぜか仕事を続けている。その彼が街で老女を乗せる。その女が語る過去。終章で体調が急速に悪化する・・・そのワケは?これは恐ろしい話だ。コレ1作なら4/5。松本清張賞という「輪廻」も読んでみたくなってきた・・・。

★8月の推薦作!

湊かなえ「豆の上で眠る」

「今夜の本!」8/2017 完

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