415「ガジュ丸の呑酒暦 文月(中百舌鳥編)」gajyumaru no donsyugoyomi(第七話「おかわり」)

7.23.mon/2018

「呑酒暦」とは、我輩ガジュ丸の「呑む、読む、観る」三大娯楽キリギリス的人生において、初訪問の呑み屋をめぐる、めくるめく(?)物語、かつその月の特異な出来事の記録であ〜る。
さて7月は・・・(再訪率50%以上がOK店)

★7月9日月曜、とうとう・・・

当連載5月の白浜編で、我輩疲労困憊の帰阪時『・・・元気な他メンバーは近々「カラオケ!」「ヒトリン実家の空き家で持ち込み宴会!」などと、にぎやかに次なる企画立ててはいたけれど、我輩もうその話に乗る気力さえもなかった』と記していた。で、その「カラオケ日」がとうとうやってきてしまったのだ・・・。
話が出た当初、「一ヶ月以上も先やん」とどうでも良い気分だったけれど、この歳ともなるとアッという間に日は過ぎさるもので・・・かつまた嫌なことほど早く到来してしまうもので・・・。

というのも墨丸時代、カラオケ嫌いの我輩、お客さんに誘われてのそのカラオケボックス行、10回誘われ一度ほどの参加だったか。特に20〜40歳も年下メンバー達ととなると、ルームに響きわたる歌曲はもうちんぷんかんぷん。
で、今回ももちろん拒否。
けれどもメンバーM氏の「行こうや〜、終わったら一杯奢るからよ〜」と、呑み助の我が弱点突くがごとくの悪魔的口説き文句で誘われて・・・。

★いざ出陣。負け戦に(みたいなもん)

5月同様、午後2時堺市なかもず駅前ロータリー集合。
メンバーA嬢のダイハツ・ミラジーノ(例の、走行20万キロの。まだ動いていた)に乗り込み、泉北深井の「アロー」へ・・・満室。
ふふふ、「カラオケは3時間だけ」と聞いていたので、こうして刻々と時間経過するのは、やはり、ふふふ。
次「コート・ダジュール中百舌鳥店」。15分待ち。
でまた、ふふふ・・・なんだけど何なのだ、平日真っ昼間にどこも満室なんて。パチンコ屋駐車場が常に満杯なのとともにこれも不思議。世も末だ・・・。
でも今回、ほぼ同年代でのカラオケ。我輩耳にしたことのある歌かつ皆お上手ゆえつい聞き入り、危惧していたよりは苦痛少し。フリードリンクゆえコーヒーがぶ飲みしつつだったけれど・・・。

M氏持ち込みの小さなプラ容器に入れた焼酎2〜3杯お相伴させてもらった夕刻(あいかわらず我輩、昼酒飲まずして)ようやく三曲ほどマイク手にはしたけれど、気づくと予定3時間を過ぎているではないか。その旨指摘すると、「えっ?フリータイムにしたんやで」「・・・」
でもメンバーひとりん嬢「スミちゃん、ようやくのってきたやん!」。ネコ科寅年ゆえ夜行性の我輩、活気づくのは夕暮れ時からなのだった・・・。

5時間以上も歌い続けるとさすが皆さん疲れるのだろう、最後は雑談タイム。となると酒が欲しくなってくる。で、「酒、注文しょうか!」の我が案にM氏「いまから呑みに行くんやからもうええやろ」(ま、彼は終始呑みながら歌っていたもの・・・)。
ここで彼らはふたたび次なる企画相談し始め、「ここの3時間カラオケ付きランチタイム利用して、酒持ち込み宴会しょっか!」。で、我輩「宴会メインでカラオケ二の次で、ね」

フリータイムながら、混んでくると時間制限あるらしく午後8時頃ようやく退室(解放)。
終日曇りの予報ながら、表に出ると雨だった・・・。

再訪率:ゼロ%

★イスラムの街角にて・・・

なかもずロータリーで我ら男ふたり車降ろしてもらい、さてどこで飲もうか。
目前の白木屋などチェーン店は論外。が、この駅前には思いがけなくもソレ以外に飲み屋が、ない?アルコール禁止のイスラム国家の町ってこんな雰囲気なんだろうか・・・駅のハズレに立ち飲み屋の看板が。6月の呑舟歴の立ち飲み屋は椅子席だったゆえとりあえず覗きにゆく。椅子なし。M氏も「立ってなんかイヤやでぇ」
線路反対側にも呑み屋の看板。雨の中行ってみると、ここも立ち呑み屋。椅子なし。

地下鉄、南海線、泉北高速鉄道集中の駅というのに、まともな呑み屋もないのか・・・ま、わが町KN市もそうやけど。
※国策ファンドであるクールジャパン機構の10億近い投資でマレーシアに'16年開業の「伊勢丹ジャパンストア」。酒禁止のイスラム国家なのになぜか立派な日本酒販売コーナー。で、お客のいないお寒い官製クールジャパンのこの施設、このほど早くも撤退とか。民主党政権時代からの施策というからこれは仕方のないことか(詳しくは雑誌sapio7.8号を)。

我輩、帰りのバスなくなるのでそれこそ仕方なくその「おかわり」という店に。
先ほど覗いた「日々一献」同様、結構お客が入っている。カップルも。ま、カップルで入れる店が近隣にないせいでもあろうな・・・。
女性従業員のこのお店、結構肴の種類も多く、我輩酒二合と生ビール(だけだったか)、肴各種で二千円強。気づくと立っての疲れなど一切なく、2時間もその店にいた。立ち呑み屋の認識、新たにす。
が、ああ情けなや、我は立ち呑み屋土間の朽木として酒呑み人生終わってしまうのであろうか・・・。

再訪率:55%

「ガジュ丸の呑酒暦」つづく

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