420「ガジュ丸の呑酒暦 葉月(KN市篇)」gajyumaru no donsyugoyomi(第八話「咲祐」)

8.13.mon/2018

「呑酒暦」とは、我輩ガジュ丸の「呑む、読む、観る」三大娯楽キリギリス的人生において、初訪問の呑み屋をめぐる、めくるめく(?)物語、かつその月の特異な出来事の記録であ〜る。
さて八月のお店は・・・(再訪率50%以上がOK店)

★新情報

我輩、週イチで通っている地元の小さなトレーニング施設。
そこに最近異動してこられたスタッフK女史は余暇に飲食店巡りをされている。将来、薬膳料理の店を持つのが夢とかで(いいなぁ、可能性大の夢で)。

で、このKN市でオススメの居酒屋有るや無しやを伺ってみた。
そこで興味惹かれたのが、KN駅から少し離れた郵便局付近の「おばんざいの店」
ちなみに「おばんざい」は、普段日のおかずのこと。京都発祥の名だったか。
そういえば大阪住吉我孫子にも「おばんざいの店」が二十年近く前にできてすぐ姿を消した・・・女将さんお一人での結構いい雰囲気の店だった覚えがある。

少々辺鄙なところにある今回のその店は呑み屋探索魔の我輩も知ってはいた。
けれど一見したところ高級そうな店構えで入りはしなかった店だ(ホントは、入れなかった、だけど)。
でも女史いわく「以前は少し高めのお店でしたが、この4月からお母さんと娘さんのおばんざいの店になりました。値段もお手頃」とのこと。

8月はKN市で飲もうと誘ってくれてる(が、KNには良き店なしと我輩断っていた)墨丸会員貧血姫と出かけてみようかと思っていたところ、この墨丸亭綺譚にもたびたび登場の準アル中のOちゃん、マトモなイワモトさんもその下旬開催の呑み会に合流することに。で、場所が皆の住む住吉でとなり、この「おばんざい」話は中断。

そんな折り、この連載「白浜」「中百舌鳥」各編登場のM氏から「久しぶりに飲もうや〜」とのメール。常々大阪市内まで我輩出向いているゆえ「たまにはKN市で」と返信し・・・。

★ようやく?

8月4日金曜17時過ぎ、KN駅で合流。
いざ「おばんざい」へ出陣。

M氏店舗前で「高そうな店やん!」
でも店先のメニュー指し示すと、「ふつうやなぁ」
で、入店。
左側がL字のカウンター席。奥が小上がりで、すでにお客がいらっしゃる。右がキープボトルや小荷物置き場。
カウンター席両端には予約札。結構流行っているようだ。雰囲気もよし。空いていた中央に陣取る。
カウンター内には三人の女性。呼び名は年の順に「おかあさん、おかみさん、おねえさん」とか。

そうそう、「おばんざい」ってこんなだった。
眼の前の大皿にいくつかの料理が盛られている。うん、まさにその内容は「おかず」。贅沢なこと言うと、酒呑みの我輩としては酒の肴とおかずは別物。食事は味覚障害患う前から一汁一菜派なのだが、別に酒のあてが欲しいタイプ。味覚障害かつ食欲喪失となってからは残念なことに、その酒のあてでもう充分なこと・・・ゆえにか大皿には目が行かず、先付けのオクラをあてに瓶ビールでふたり喉潤す。

最近思うのだけど、M氏とは20代後半から共になった会社の同僚かつ呑み仲間。先の貧血姫も墨丸創業当時からの呑み仲間。で、まいどまいどナニ話すことがあるんだろとあとで思うほどしゃべり合っている。この夜も気づけば21時過ぎ。途中で「なにかご注文は?」と問われるまで黙々とではなく話に夢中になりながらキープの麦焼酎ボトル残り少なしまで先付けだけで飲んでいた・・・。

馬刺し、コーンの天ぷら、いぶりがっこクリームチーズ(といった大皿以外のメニューもある)、菊正宗ぬる燗(我輩)と芋焼酎村尾(M氏)注文し、ようやくと言っていいんだろうか、KNでまともな居酒屋に巡り合った感。ふたりでキープ込み七千円弱。

「おかんの料理 おばんざい 咲佑(さすけ)」(河内長野市本町7-19。0721-51-7020)というお店です。

再訪率:80%

「ガジュ丸の呑酒暦」つづく

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