435「今夜の映画!」9/2018のベストは?

10.13.sat/2018

★「今夜の映画!」

ガジュ丸評価基準。
5「傑作」4「秀作」3.5「佳作」3「普通」2「凡作」1「駄作」。NF=ノンフィクションetc ※=再観作品。

01.「アイヒマンを追え!ナチスが最も畏れた男」2015/ドイツ/監督:ラース・クラウメ/4.0
02.「風とライオン」1975/アメリカ/監:ジョン・ミリアス/出演:ショーン・コネリー/3.5 ※
03.「ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ」2016/イギリスetc/監:/出:コリン・ファース/3.5
04.「竜馬暗殺」1974/日本/2.0 ※
05.「隠された時間」2016/韓国/監:オム・テファ/3.5
06.「お父さんと伊藤さん」2016/日本/監:タナダユキ/出:上野樹里/3.5
07.「フレディvsジェィソン」2003/アメリカ/3.0
08.「ビニー/信じる男」2016/アメリカ/監:ベン・ヤンガー/3.5
09.「IT/イット”それ”が見えたら、終わり。」2017/アメリカ/2.0
10.「ハンティング・ナンバー1」2017/アメリカ/監:ジョー・ディーチ/3.5
11.「アントンマン」2015/アメリカ/2.0
12.「遺体 明日への十日間」2013/日本/監:君塚良一/出:西田敏行/3.5
13.「渦」2000/カナダ/3.0
14.「アーマード 武装地帯」2009/アメリカ/監:ニムロッド・アーントル/出:マット・ディロン/3.5 ※
15.「ビジランテ」2017/日本/3.0

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「本能寺ホテル」2017/日本
「無頼漢」1970/日本
「シャッフル」2011/日本
「阿修羅城の瞳」2005/日本
「サラダリセット」2017/日本
「ありがとう、トニ・エルドマン」2016/ドイツetc

★「期待作!」

黒木和雄の1974年監督作「竜馬暗殺」だ。
暗殺に至る3日間の竜馬という(嘘かマコトかの)ふれこみ。青春時代に観て、もう一度観たいと思い続けていた作品はコレだッ、と長年思い込んでもいた・・・。
勤王の志士が密会する屋敷に、ひとり切り込もうとする刺客。その男は屋敷の縁側で天井、欄間の高さを目測。大刀を置き脇差抜いて屋敷内へ斬り込む。志士たちは慌てて応戦するも刀が欄間や床柱に食い込み、男の脇差で次々と斬り伏せられ・・・その斬新なシーン再びと思いきや、まるで違った映画だった。それもいま観ると凡作と思えるほど(当時の世評は良かったはず)。竜馬役の原田芳雄は存在感たっぷりだったけど。あの観たい映画は何なんだった?

★「寸評!」

再観作品・・・
1900年初頭、植民地化の危機にある祖国モロッコを憂い、一人の部族長が立ち上がる。誘拐したアメリカ人母子を盾に、交渉するは合衆国大統領ルーズベルト。ジョン・ミリアス監督、ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲンと、当時ファンだった彼らが懐かしくもある、いま観ても良作。

観始めて再観と気づいたけれど、結局最後まで。
B級映画的スケールながらマット・ディロン、ジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーンらそうそうたるメンバーが共演。現金輸送車の警備員グループが強盗に襲われたことにして積んでいる大金を横領しようとする犯罪劇。が、思わぬ出来事で破綻してしまう「アーマード 武装地帯」は一見の価値あり。

意外だった作品・・・
前宣伝をしょっちゅう目にしたので「もしかして傑作?」の、下水道に棲むピエロに扮した化物が子供たちを拉致するホラー「IT/イット”それ”が見えたら、終わり。」は、S・キング原作発表後に放映されたテレビドラマ版以下の出来ではないか。ドラマより勝っているだろうと勘違いしての、続編ありそうなのが信じられぬほどの新鮮味のなさ。

1920年代に名作文学を数多く手がけたカリスマ編集者マックス・パーキンスが小説家トマス・ウルフの才能見出しての日々を描いた「ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ」は、いままでこの題材が映画化されなかったのが不思議なほど、酔った脳みそで観ていても二人の知られざる関係はドラマチック。

★「映画vs原作」
映像作品もしくは原作の、どちらが「優?」

「乱反射」TVドラマ:成瀬活男 石井裕也脚本 妻夫木聡主演 △ VS 原作:貫井徳郎 ◎
(街路樹が倒れ、幼児が死亡。責任は誰にあるのか。一見無関係な人々のささいな行為が積み重なっての事件と最後に判明する物語だけれど、共同脚本なのに原作より劣っている。特にドラマ版ではラストシーンの意味が分かりにくいのでは?)。

★「今夜の名言!」

「私の妻─アンナ・マリアとは長い間別居状態だ。これは最も幸せな結婚の形だと思ってるよ」
(「アイヒマンを追え!」主人公バウアー検事長のセリフ)

★「ガジュ丸賞!」

ドイツ映画「アイヒマンを追え!」だ。
南米に逃れ隠れ住むナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンを追うドイツ人検事フリッツ・バウアーの、知られざる孤独な戦いを描いた実録ドラマ。
意外だったのは、主人公の捜査を妨害するドイツ政府上層部や警察幹部の存在。戦後、ナチス党員は要職から追放されたものと思っていたけれど、当時の要職をナチ残党が占めていたのだ。それゆえの孤立無援の中での追跡劇。皮肉にも唯一の協力者はかつて迫害されたユダヤ人の、イスラエル情報組織モサド。こういう作品をドイツ自身が作るというのは見習うべきか。ただし韓国や中国、日本をおとしめる反日左翼の人々がね。

「今夜の映画!」9/2018 完

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