436「ガジュ丸の呑酒暦 神無月(京橋編)」gajyumaru no donsyugoyomi(第十話 前編)

10.26.fri/2018

「呑酒暦」とは、我輩ガジュ丸の「呑む、読む、観る」三大娯楽キリギリス的人生において、初訪問の呑み屋をめぐる、めくるめく(?)物語。かつ、その月の特異な出来事の記録であ〜る。
さて十月前半のお店は・・・(再訪率50%以上がOK店)。

★「藤」

食欲の秋。否、呑欲の秋か。で、十月は盛りだくさん・・・

まず10日(水)は「平成紅梅亭」へ。
「紅梅亭」とは先月ギャンブル運の話で記した、ペアチケット当選による江戸落語寄席のこと。
例によって「チケットと呑み代交換で行く?」と、ヒマ人M氏にメール。例によって例の如し、即答「行く」

場所は大阪京橋の読売テレビスタジオ。
30日深夜のテレビ放送の録画撮り。
東京落語協会イチオシという実力派と若手噺家合わせて五人の登場。

で、堪能できたのは柳家はん治さんの、老いぼれヤクザ親分子分の掛け合い噺のみか。だって桟敷席での一辺20センチほどしかない小さな薄い座布団に座って、愛想のいいADさん「一見ホンモノの寄席のようですが、すべてセットです。ですから、ふすまや柵にもたれないようお気をつけくださ〜い」
我輩「もたれられるわ」と、ふすまの横に陣取っていた・・・中入りあるものの(観客全員立ち上がっての足腰伸ばす運動時間みたいだった)、身動きできぬほど窮屈極まりない2時間。お笑いはやはり上方かもだろうけど、しんどくって涙出そうな退屈落語会。もう応募はパス・・・。

そういえば先月、「奥河内映画祭」というイベントがKN市で開催された。
地元を舞台とした映画を通じ郷土愛を育む云々目的に、来春以降劇場版長編映画制作の計画があるという。その事前イベントとして制作された短編映画の鑑賞会に参加。

短編というのでスーパーの駐車場にクルマ停め・・・なのに事前挨拶延々続き、かつ15分の短編が3本も。駐車料金気になって気になって、途中でたった一人の退席。ロビーにたむろするスタッフの「なんで帰るねん」的視線がコレまた気になって気になって・・・というのも2本見た限りでは、脚本も撮影も「?」。ともに我輩は知らぬプロの監督、プロの若手俳優ふたりも投入というのに?それら「?」意識と抱けなかった郷土愛が後ろめたくて後ろめたくて・・・。小心者だ。落語会では退席さえもできなかったし・・・。

昨年「天満天神繁昌亭」での新進落語家共演会帰りの裏天満同様、ここ京橋飲み屋街どこも大入り満員。環状線京橋駅前で唯一空いていた小料理「藤」に。
小料理屋といっても、板前さん四人もいる広いお店。女将さんらしき方はいず。でも疲れ切って酒肴の味も覚えていぬほど。京橋という遠方の地、かつこれほどの飲み屋街ならば他に入りたい店多々あるだろうで・・・

再訪率:ゼロ%

★「ふくぜん」「一歩」

最近、月イチペースで会うようになったM氏とヒトリン女史の古参墨丸会員コンビ。彼らに呼び出されての12日(金)のこと。

住吉区長居で我輩商売していた頃、足繁く通った深夜営業の「焼き鳥 でんでん」の、その大将が病で亡くなられていると、我輩退院後にバー「シェンケ」マスターからの電話で知った。そして女将さんが「炭火焼き鳥 ひか」を新たに長居商店街で開店とのことでこの日、表敬訪問することに。

夕刻6時、オープンしていず。
で、開店までの時間つぶしに商店街の安そうな呑み屋探索。
以前にはなかった「ふくぜん」という居酒屋に入る。
入り口に四人がけのテーブル一卓。奥が五、六人ほどのカウンター席。若い女将さんとアルバイト女性のこじんまりとしたお店。我らはテーブル席に。
我輩はいつものごとくぬる燗のコップ酒。肴は豚串注文・・・なぜかソレは豚骨だった。退院後、免疫力低下とのことで急に歯が悪くなり(目もだけど)、硬いもの苦手な最中なのに・・・。
M氏は毎度のごとく「焼酎の量が値段の割に少ないッ」などと文句タラタラ。我輩はでも、このような家庭的雰囲気のお店は好きだ。

再訪率:55%

19時となりM氏「もう開いてるかも」と「ひか」開店確かめに出かけるが、いまだ・・・遅くまで営業というから20時開店なのかもしれぬ。
で、本格的に別の店で呑もうとのM氏の提案で、新たな店を探しにあびこ筋に。

そのあたりに目新しい店はなかった。
かつての墨丸二号店の隣にできた若夫婦経営の居酒屋はとうになく、新たに入居の居酒屋「一歩」に入る。同じビルの墨丸二号店15坪より多少広めの店内。
ここでは座敷席。何を食したのかもう覚えていず・・・後日、メモ帳の「ふくぜん」「一歩」の走り書きに「はて?コレはなんのメモなんだ?」としばし考えたほど、これら店のこと忘れていた。というのもやはり、呑み屋はカウンター席ッという我が持論にそぐわぬ席のせいだろう(テーブル、座卓は夜毎の家呑み雰囲気なのだった・・・)。

再訪率:0%(値段、料理よしの憶えありだったけど)

「ガジュ丸の呑酒暦」つづく

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